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下馬の住宅

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「どこかにつながっていく」

敷地は東京都心近くの郊外住宅地にある。住宅地として開発された当初は、各敷地に建物がゆったり建っていたため、狭い道路幅でも圧迫感の少ない風景が広がっていたと想像できました。しかし、近年の世代交代に伴い、ゆったりとしていた土地が細分化され、高密度化し、余分なスペースを持たない街路は閉鎖感がつよい風景となりつつあります。

ここでは内部だけで完結せず、周辺環境に対して働きかけることを考えました。隣地は更地で、環境変化の予測が難しかった。そこで、前面道路に対する建ち方を模索しました。プライベートな用途を地下に、パブリックな用途を地上2階に持ち上げ、間の1階部分を敷地奥まで見通せる道路の延長のような場所とすることで、閉鎖感のある道路に対して、視線が抜る「どこかへつながっていく」場所をつくっています。周囲の建物に面する外壁には開口を設けず、各階に光と風を取り込むための光庭(void)がある。各部屋は開口の方向よって光の状態・明暗がそれぞれ異なり、独立性を高めています。独立性を持ちながらも各スペースが光庭(void)に面することによって、全体は把握できないが、「どこかにつながっている」ことを暗示させ、奥行を生じさようと考えました。